・サイトの一つの投稿頁 戦争と平和を考えるためのお勧めの本にある千葉 眞教授著、風行社発行の「連邦主義とコスモポリタニズム」の中で著者の千葉先生は、「複数の構成体のあいだに統合と分離との連携の仕組みを創出する分節的接合の原理ないし理論」であると書いている。その実際の制度的表現は、「連邦制」(federalism)とよばれている。連邦制には厳密な意味では二つの形態があり、「連邦国家](federal state/federationという単元的国家ならびに諸国家の連合体としての「国家連合」(confederation)である。しかし同時に、連邦主義の家族的類似概念としては、「同盟」(league)などもある。しかし、最小限の合意はここまでで、連邦主義は、社会諸科学、なかんずく政治学および国政関係論の概念として多義的であり、その定義に関しても混とんとしている。さらに連邦主義の理論ないし概念といったものがはたして存在するのかについて、懐疑を差しはさむ論者も皆無ではない。しかし、千葉教授は、連邦主義の二つの概念即ち「哲学・社会的概念」と政治・行政・法的概念」の存在を指摘している。教授は前者の哲学・社会的概念は、一般的にはほとんど注目されることがないとしている。そして、スーザン・ビシェイの次の定義「連邦主義とは、種々の主権的な政治的単位の間で締結される憲法上の取決めに基づく一つの制度、その制度においては、一方で『連邦』が集合的に扱うのが最善である、明確に規定された諸政策—例えば外交政策、防衛手段、金融政策、関税上の諸規則など―に関しては、『連邦』が担うことになる。他方、同時に全ての他の事項に関しては、『連邦』を構成するそれぞれの自治的単位が担うべく、それらの政治的自律性を保証する制度である。」を、著者の議論の展開・考察において採用している。我々も、本サイトの投稿頁と固定頁においてこれを採用したい。千葉教授は、自由の制度構想としての連邦主義には三つの特質、即ち超国民国家的性質を有し、第二に参加民主主義的な価値の実現を可能とする点を有し、第三に平和の価値を制度的に保障する平和構想として卓越したものを保持しているとしている。更にカントの古典『永遠平和のために』(1795年)は連邦主義的平和構想の提示において特色あるものであったと書いている。
